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慶應義塾大学

大学エッセイ 慶應義塾大 その1

慶應幼稚舎(小学校)に始まり、中学では三田の共学校・中等部、日吉の男子校・普通部、共学の湘南藤沢が並び立ち、高校は、男子校である日吉の慶應義塾(塾高)と埼玉の慶應志木、三田の慶應女子、そして共学の湘南藤沢。
こうしたさまざまなルートを経て上がって来る内部進学組が、慶應義塾大の中核を担います。
早稲田にも、早稲田実業や早大学院、早稲田高校など、多くの付属校、係属校がありますが、例えば早稲田高校からは、一割前後が東大に進学したり慶應を受験して進む生徒がいたりと、慶應の「純粋培養」ぶりとはやや趣きを異にします。
慶應の高校4校からも、大学を外部受験する生徒はいるものの、それは医学部を目指すも内部進学が叶わなかった、医学部受験組くらいでしょうか。
そんな慶應義塾ですが、中学受験組、高校受験組(これは超難関)と、段階ごとに外部から「新しい血」を受け入れて来た「内部進学組」は、大学から入ってくる受験組との間に、けっして壁を設けたりはしません。
むしろ、厳しい受験競争を勝ち抜いて来た新しい仲間には、尊敬の念を持って接するのだとか。
そんな慶應とはどんな大学なのか、長くなりましたので、ここから先は次回に譲ります。

大学エッセイ 慶應義塾大 その2

慶應義塾には、創設者福沢諭吉の思想が脈々と息づいています。
基本理念とされる「独立自尊」は、何事も自分の判断・責任のもとに行うことを意味していて、ただし、決して独善に陥らず、他者への敬意を忘れない。
と同時に、福沢諭吉は「気品」を重視し、社会の先導者にふさわしい人格形成を志しました。
実際、慶應生には(育ちの良さもあってか)「奥ゆかしい」というイメージが付きまといますね。
めざす学問は「実学」ですが、それは、すぐに役立つという意味ではなく、事実に基づいて真理を解明し、問題を解決していく科学的な姿勢が「実学の精神」です。
官僚養成のための官立学校であった東大に対し、慶應義塾は実業界に多くの人材を輩出し、一部上場企業の社長の数や、司法試験合格者数でNo.1となっているそうです。
理系では、医学部は東大理Ⅲと並ぶ、私立では並ぶもののない最難関で、理工学部は、比率的にいうと理学部より工学部寄りの構成で、最先端の研究を行っています。
そんな中、都心から離れた湘南藤沢キャンパスでは、環境情報、総合政策の2つの学部でそれまでの領域にとらわれない、文理融合的な教育研究が行われています。

早稲田の所沢キャンパス、人間科学部に通じますね。ホームページでその内容を見てみると、なかなか面白いですよ。
やはり新しい空気を生み出すには、伝統的な場とは距離をおく必要があるのかもしれませんね。

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